月別アーカイブ: 11月 2018
ただひたすら、川底に玉石を打ち込んで何日経ったのだろう。
先が見えない仕事というのは案外辛いものです。
ようやく一か月半ほど経ってから流れの部分が完了しました。しゃがんでの仕事なのでかなり腰が痛いです。
でもその甲斐あってパッと見、かなり自然な流れを再現できたと思います。
次は第2クール。広い洲浜風の池の玉石張りです。
池の途中には、そこと渡れるように沢飛石を設けてみました。もちろんこの廻りも玉石を打ち込んでいきます。
下流の方なので上流は石を少しデコボコに荒く見えるようにしていましたが、ほぼほぼ平らに打ち込んで柔らかい印象を与え、より自然に近づけました。
約2ヶ月近く掛かって、ようやく芝生広場の玉石打ち込みが完了しました。
何とか完了しましたが、精神的には結構きつかったです。
でも、それなりの達成感は得られ出来栄えには満足しています。
着工から約1ヶ月半掛かって、ようやく完成に漕ぎつけました。
例によってどのように変化したのか分かりやすいようにビフォー・アフター形式で説明したいと思います。
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「ガーデニングを行えば、これだけ変わるのか?」という見本みたいな作品になりました。
これだけで別の家になったように見えます。お家がとても可愛くなりました。
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駐車スペースも3台分ありますので、来客があっても困ることはありません。
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奥様に最初に言われた要望が「レンガをランダムに敷いたアプローチがほしい。」とのことでした。
イメージはほぼこの通りなのですが、融雪の為にホースで水を流すということなので、レンガだと水分を含むと凍結融解の可能性が高く、その代用としてインターロッキングブロックにしてもらいました。その淡い色調が決して派手ではありませんが、うまく家と馴染んでいます。
アプローチ沿いには、ジューンベリーやアオダモ、アズキナシ等の雑木が植えられており、庭に彩りを与えています。
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リビング前には芝生の広場をかなり大胆に大きく取りました。
ツリバナの株立の下には、錆色の小舗石で円型に囲んで花壇を設けました。
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アプローチ脇の雑木の下には、いろんな多年草が植えられています。
キャットミントやクリーピングタイムのハーブ類、ヒューケラ、アジュガチョコチップ、ベロニカオックスフォードブルー等の比較的目新しい多年草も植えられています。花の色も濃紫から淡桃色のグラデーションが楽しめるように配慮してあります。
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枕木を3本組み合わせただけのシンプルな門柱も、程良いアクセントになっています。
コスパの高い門柱といえば、やはりこれになるでしょう。
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お隣への落雪防止用にウッドフェンスを設けてみました。
ここ新庄は豪雪地帯なので柱と柱の間に補強材を追加しました。これで、もってくれればいいのですが!
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最初の計画にはなくて、後から追加された赤いボンボビのポスト。程良いアクセントになっています。
次は既存の石を使っての滝石組になります。
盛土もイメージが分からないということなので、私がバックホーを運転しながら石組も同時に行いました。
滝石組が完了すると、だいぶイメージが掴みやすくなりました。
自己満足ですが、なかなか迫力ある石組になったと思います。
次に流れの部分を作っていきます。床に防水シートを張って、その上にコンクリートで石を固定していきます。
そこに張っていく玉石は、川砂利の中から一個一個選別して洗って仕上げました。
それを自然の流れを再現すべく、一個一個モルタルにハンマーで打ち込んで固定していきます。
これから先、このように気の遠くなるような作業を繰り返していかなければならないと思うと気が重くなりますが、何とか良い作品を作るべくモチベーションを保って頑張っていきたいと思います!
コンクリート系の工事が終わり、いよいよ我々庭師の出番がやってきました。
まずは植栽用の客土を搬入して盛土しました。
これだけでも雰囲気は随分変わりましたが、次はいよいよ一番劇的に変わる植栽工事です。
色んな雑木が植えられる度に新たな息吹が与えられていくような気がします。
次に肥料を混ぜてから芝を張っていきます。
目土をかけて仕上げていくと、緑のボリュームが増して鮮やかな緑の空間が作られていきます。
本当の緑には癒されます。
ランダムに並べられたインターロッキングブロックの廻りには色んな多年草が植えられ、長いアプローチを彩り豊かな空間へと導いてくれます。
次は仕上げの木工事(門柱、家庭菜園、フェンス)に入ります。
ここまでくるとお客様の喜ぶ顔が見えてきました。最後まで気合いで頑張ります。
細かい手仕事が続きますが、これこそが『庭師の腕の見せ所』だと職人に気合いを注入しながら作業させております。
その甲斐あって手水鉢廻りもようやく出来上がりました。
沓脱石から銀閣寺型手水鉢までは、同じ富沢石を野趣味な感じに据えてみました。
手水鉢の廻りに那智石を敷き詰めたら見た目が締まりました。
新たに設けたテラスも順調に仕上がりました。
敢えて外壁の色に合わせず、淡いベージュ系のタイルを張ったらリビング前がパッと明るくなりました。
既存の赤松も、白御影の間知石を城積みっぽく積んだら景が引き締まりました。
この作庭の一番の難関がこの石貼り工事。
黒っぽい石を貼ったところ上品だとお客様にも喜ばれました。
次は創作塀を作ります。今度はどう遊ぼうかな~♪
建築のために足場が架けられない樹木は伐採され、残っている樹々はそれ程良いものはありませんでした。
残された石材も元請さんの材料置場に放置された状態で、ただただ唖然とするばかりでした。
これらの石をすべて写真に収め寸法を記入し、使えるものとそうでないものを分類するだけでも、かなりの費用と時間を費やしました。
まず最初に手掛けたのは茶室の前の庭でした。
あまり樹形の良くないキャラが一本立っているだけで、これは残念ですが処分することにしました。
次に既存の手水鉢と石を使って、蹲踞(つくばい)廻りを仕上げてみました。
織部灯籠以外はすべて以前の庭にあったものを再利用してみました。
最初からこの調子なので先が思いやられます。前途多難な道のりがまさにこれから始まろうとしています。
和モダンがテーマのK様邸。
どのように変貌を遂げたのか、例によってビフォー・アフター形式で紹介していきたいと思います。
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カーポートの床部分に土間コンクリートを打ちました。
車の乗り入れを考えて三角の部分を設けてみました。意外とこれもアクセントになっています。
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白御影の敷石を交互に並べた土留。
生垣はイヌツゲにして隣接する川との空間を仕切りました。
また、遊び盛りのお子様達が誤って川に転落しないようにする目的も兼ねています。
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すっかり秋になり既存の柿の木の葉っぱも所々落葉してしまいました。その下にはフイリヤブランが埋もれています。
伊勢ゴロタ石を洲浜状に並べて玉砂利との境界にしていますが、このなだらかな曲線が和を感じさせてくれます。
アプローチから続く延段は、御影石と富沢石の組み合わせでまとめてみました。この一直線な延段が庭の景を引き締めてくれます。
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ツゲの生垣が空間を仕切り、堤防に植えてある桜の木を見事に借景しています。
庭のポイントとなる菊型の手水鉢の廻りには、ヤマモミジやアオダモ等の雑木を植えて野趣味な雰囲気を醸し出しています。
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駐車スペースと庭とを仕切る創作塀。この家の外観とベストマッチしています。
さらし竹が良いアクセントになっています。
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この板塀の奥にはどんな景色が広がっているのだろう?
この家を訪れた人に、そう思って頂けたら私の思惑通りです!