ウメモドキ
最初にお客様と打ち合わせにお伺いした時、3つの要望を伝えられました。
1つ目は、リビングからの眺めがどことなく殺風景なので、何か雑木的なもので目隠ししてほしいとの事。
2つ目は、門柱の脇に気を植える事で、冬場玄関前に雪が入り込んでくるのを和らげてほしいとの事。
3つ目は、道路側にある窓が和室に面しているので、何か木を植えて修景してほしいとの事でした。
あらかじめ予算も提示されていたので、どうその範囲で納めるか手腕が問われる所でした。
植栽地は、白御影の間知石、小舗石錆の二丁掛、小舗石大洋紅を使う事で、約10cm位ですが、ちょっとずつ段差をつけて立体感を与えてみました。
植栽はヤマモミジ、アオハダ、常緑ヤマボウシ、ジューンベリー、ナツツバキ等の様々な雑木を植える事で、四季の移り変わりを楽しんでもらう様にしました。それと同時に隣家との目隠しもさりげなく行える様に配植しました。
芝も張ってみたいとの考えも伺いましたが、御夫婦とも働かれていたので、今回は管理の殆どかからない防草シート+玉砂利敷をお薦めしました。
家庭菜園も挑戦してみたいとの事だったので、畳2枚分位の大きなものを作りました。これで、4人家族なら十分にいろんな野菜が収穫でき、新鮮なものが毎朝食べられるからです。
リビング前には、ウッドデッキと雫をモチーフにしたテラスを設けてみました。
このウッドデッキに腰掛け、バーベQを楽しむ姿が目に浮かびます。
門柱脇にはカツラの株立を植えて、雪の入り込みを少しでも和らげられる様にしてみました。
和室前には、スペースが狭かったのであまり大きくならないウメモドキとツリバナを植えて、少しでも和のテイストを感じてもらえる様にしました。
工事を着工する前とその後では、どの様に変化したのかを例によってビフ
ォー・アフター形式で説明したいと思います。
Before
After
和室に面した窓から見える景色がどこか殺風景だったので、ウメモドキとツ
リバナの株立を植えて、和のテイストを残しながらも洋風な外観とのマッチ
ングにも気を配りました。
Before
After
門柱廻りが淋しいという事と、玄関の脇から風と共に雪が入ってきてしまう
ので、それを緩和してほしいとの要望でした。そこで門の脇にカツラの株立
を植えて、それを緩めるよう対応しました。
Before
After
隣家のフェンス等が気になるという事だったので、アオハダや常緑ヤマボ
ウシ、ジューンベリー、ナツツバキ、ヤマモミジ等の雑木を植えて彩りを与
えました。
Before
After
庭の一部には、枕木で囲った家庭菜園を作りました。
植栽地の高さも、石積みや小舗石の高さを変えて変化を与えました。
敢えて直線を使わず、緩やかな曲線をデザインに与えた事で、庭にゆとり
が生まれました。
After
リビングの窓には、ウッドデッキを設けました。これでリビングから眺めると
とても広く感じると思います。その前には、雫型のテラスを作ってみました。
ショコラ・コロンという焼き菓子の様な可愛いレンガで、コンクリートを縁取っ
ただけのテラスですが、形がおもしろいので、この庭にすごくマッチしている
気がします。
広さもバーベキューするには、丁度良い面積を確保しています。
ガーデニングもいよいよ大詰めを迎えています。
今回は樹木の植栽です。
まずは、剪定して余分な枝を落とします。
アオダモの株立やウメモドキ等の雑木を植え込みました。
次に樹木が風や雪で傾いたりしないように、竹で支柱を施します。
植栽まで完了したら、庭のだいたいのイメージがつかめました。
3種類の石の高さを変えた事で、庭にリズム感が生まれてきました。
ただ残念なのは、樹々がすでに落葉してしまった事。
紅葉の時期だと、美しいコントラストをお見せできたのに…
次は、最終工程のテラスとウッドデッキ工事です。
完成まであとわずか。最後まで雪が降らない事を願います。
着工前はこの様に入口が狭く、奥に行くと広い特殊な形状でした。
幅が狭いので、2台並列駐車は諦め、2連棟の縦列駐車にする事にしました。カーポートの前はギリギリ2台用のゲスト駐車スペースになっています。
オリジナルの門柱は枕木を組み合わせて作りました。
表札を照らす照明は奥様が選ばれました。長いアプローチを逆手に取り、玄関まで歩いていく途中、いろいろ変化のある訪れた人が楽しめる植栽にしたいと考えました。門柱の手前は、クリーピングタイムが地面を覆います。
中間部分は、ミツバツツジ、ウメモドキ、イレックスサニーフォスターの中木が植えられ、下草にはフッキソウが植えられています。
一番奥は、クロモジの株立やオトコヨウゾメが植えられ、下草にはフイリヤブラン、ガウラ、アベリアを植栽しました。
反対側には、玄関が通りから丸見えにならない様に、大きめのナツツバキの株立を植栽し、アカバナエゴノキの株立、ナツハゼを植え、下草にはイモカタバミ、低木にはシモツケを配植しました。
玄関側から振り返ると、いかに植栽の量が多いか分かると思います。
土間コンクリートは全て自由曲線が用いられ、それに合わせて土間コンクリートの中にキャメルストーンで象(かたど)った雲形の石貼りが3ヵ所設けてあります。これら全てが、モダニズムを追求したからこそ生まれた形です。
主庭になる部分は、隣の工場の放置された物が全て見えてしまうので、これをまずいかにアートに隠すかがテーマでした。
ここは、モダンアートを追求すべく、生垣も全て自由曲線で植栽しました。
生垣の自由に伸びた曲線と芝生の縁取りの曲線がアートを感じさせます。生垣は冬でも目隠しできる様に全て常緑樹にしました。シラカシ、ネズミモチ、マサキを用いて全て高さを変えて変化を出しています。
植栽は全て雑木類で、ヤマモミジ、カツラ、アカシデ、サワフタギ、カマツカ、アオダモ、トウカエデ、ネジキ等、今から里山の雰囲気を醸し出してくれそうです。