月日の流れを感じます
この画像は今から25年以上前、私が最初に設計施工した山形市のT邸の茶庭です。
木々は成長しもはや樹形は落ち着き、円熟の域に達しているかのようです。
一番驚いたのが手水鉢です。
真新しい施主が準備されたそれは、黄土色のいかにも今土から掘って来たと言わんばかりの
様な状態でしたが、月日はそれを別物のような風格と気品を与えてくれました。
ここだけ見ると、ここが山形ではなく京の茶庭のような錯覚に陥ります。
幽玄とはまさにこんな情景をさすのでしょうか?
ここを作らさせていただいて、京風庭園とは何ぞやと専門誌とにらめっこしていた、若かりしころが
走馬灯のようについ昨日の事のように脳裏に浮かんでは消えていきます。
古びた竹垣も一つの絵になることを、知る由もなかったあさはかさを、改めて感じさせられます。
縁あってこの竹垣も新しく作る予定なので、また古いものに新しい息吹うを与えたくださる施主のお気持ち
に感謝あるのみです。
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