枯淡を求めて(平成30年度施工)
この作品は和モダンをテーマにして、それでいて管理がとても楽な庭になるように設計してみました。
着工前は手前に見える門かぶりの赤松や奥に見えるサルスベリやイトヒバ等、以前から庭にあった樹々がまだ残された状態でした。
この中で使えそうな樹々は移植して使いました。
門かぶりの赤松はそのまま活かし、その周囲は白御影の間知石を3段積んで現代風の石積みに仕上げました。
入口の門は出入口をできるだけ広くして高さも可能な限り広くしたいという、お客様の要望でこの形に決まりました。錆石の笠石だけ取り付けましたが、コンクリートの擁壁の塗装は気温を考慮して来春施工にしました。
リビングに面したテラスは明るいベージュのタイルを貼って華やかにしたので、暗くならず正解のようでした。
面積が広くてかなり手間がかかった石貼り。クラストブラックという石材を用いたので重厚でどこか品格漂うアプローチに仕上がりました。
アクセントに入れた白御影の敷石も、入口の広さを強調する役割を果たしています。
プレゼンの時にお客様に渡したイメージスケッチ。
実際完成した作品とかなり近いものであることが分かります。
既存のイトヒバと景石は移設して、瓦や雑木と組み合わせることで品がでてきました。
土留は富沢石を野面に積んで、その中には雑木や下草を植えています。
(この庭で使われている富沢石は、用途に応じて砕石場から3人掛りで一個一個分別して積んできました。)
アプローチから銀閣寺型手水鉢まで続く苑には、飛石ではなく富沢石を石畳風な野趣味に仕上げました。
円をモチーフにしてデザインした手水鉢廻り。
同じ富沢石を乱張りして、中心は円形に抜いて黒那智石を敷き詰めアクセントを付けました。
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