水を使わずして水を表す(令和元年度施工)
当初は「庭の解体をしたいのですが、石を処分するにはいくら位かかりますか?」
というご依頼でしたが、石の中には重さ3tを超えるものもあったので
「処分するより組み直した方が良いんじゃないか?」
という事になり、作庭工事が始まりました。
【着工前】
3本の赤松と奥に見える鳥海石の立石以外は全て造り直しました。
既存の石をひとつひとつ計測しての再設置。
全て一発勝負でしたので、かなり入念な準備が必要でした。
通常の石組では考えられない石の使い方(鳥海石・鮫川石・日高石)をしているのは、
以前の庭石をそのまま利用したからです。
野趣味な味わいを演出したかったので、
ヤマモミジやナツツバキ・ヤマボウシ・ナツハゼ等の雑木類を主体に植栽していきました。
下草には枯山水に合うようにヒメシャガやフイリヤブランを主に
スジギボウシ・シラン・リュウノヒゲ等を植えました。
州浜には地元の川石を砕石場から買ってきて
1個1個選別し、洗ってからひとつずつ打ち込みました。
また川の流れを現すのに真っ白な伊勢ゴロタ石を敷き詰め、
“水を無くして水を楽しむ”枯山水の醍醐味を表現しました。
迫力を出す為に、滝石組の部分には
石の表現力が高く荒々しい日高石(赤い石)を用いました。
石臼も手水鉢として再利用しました。
決して派手さはありませんが、
“わびさび”を十分に感じ取る事が出来ます。
奥の土留は竹柵を作って止めました。
敷いてある玉砂利の下には防草シートが張ってあり、雑草対策も万全です。
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